T.H/ 2025年 5月 30日/ 技術

はじめに

こんにちは。T.H.です。久々の更新となりました。
今回は進化著しいAIコーディング、の入口の話です。
ローカルPC上にLLMを構築し、Clineからアクセスする方法を紹介します。
Windows環境かつ、ある程度PCスペックがある前提です。

※他のOS環境下においてもほぼ同じ手順で構築可能かと思います。

背景

AIを使ったコーディングを試してみようにもツールの乱立、APIの契約や料金が……といった問題があり、少々手が出しにくい状況ではあります。
そこで、料金などの心配なく試す方法を調査いたしました。

雰囲気を掴む分にはそこそこのPCで何とかなりますし、
逆に家庭用最高クラスのPCがあったところで恐らくモデルの性能は大手有料のAIには届かないでしょう。
コーディングにおいてはあくまで補助的、2次的な手段となります。

LLMのインストール

ツール

ローカル環境にLLMを構築するツールは主に以下の2つです。どちらもインストーラが付属しており、難しいことは何もありません。

  • Ollama

    • https://ollama.com/
    • オープンソースのCUIツールです。CUIですが、前述の通りインストーラが整備されており、導入は簡単です。
  • LMStudio

    • https://lmstudio.ai/
    • GUI付属のツールです。モデルの管理など、一目で分かりやすく使いやすいです。
    • GUIのため、ローカルでのChat-GPT的な使用方法に向いています。
    • こちらはオープンソースではなく、商用利用には連絡が必要です。

今回はOllamaを前提に進めます。

インストール

https://ollama.com/ から「DownLoad」→「DownLoad for Windows」でダウンロードできます。
インストーラなのでそのまま実行して完了です。完了時に何も出ないため注意してください。

Powershellを起動し、下記コマンドで動作を確認します。

> ollama --version
ollama version is 0.8.0

LLMの実行

まず、取得~実行可能なモデルを確認します。

https://ollama.com/search で確認できます。2025年5月時点では、qwen3かgemma3が良いかと思います。2024年末に鳴り物入りで現れたDeep Seek R1は既に時代遅れとなって来ています。

ここではgemma3:4bを使用します。Powershellで下記コマンドを入力することでダウンロード~実行まで行います。非常にファイルサイズが大きいため、ネットワーク環境とストレージ残量には注意してください。

> ollama run gemma3:4b

インストールが終了するとOllamaが起動し、チャット入力可能になります。このままチャットツールとして利用することも出来ます。
また、Ctrl-Dで終了できます。

モデルの選定方法

今回はgemma3を選びました。
モデルに関しては進化が非常に早いため、現状ではその時々で良さそうなものを選ぶといった方針が良いかと思います。

モデル名の末尾の「4b」「12b」などは非常にざっくり言ってモデルのサイズを表しており、大きいほど高性能かつ、動作負荷が大きくなります。
体感的には、グラフィックボード無しのPCでは~4b程度に抑えた方が良いかと思います。

ClineのインストールとOllamaへの連携

あらかじめollama runで起動しておいてください。

VS CodeにClineをインストールします。
拡張機能として提供されているのでVS Codeを起動しExtensionsの検索欄でclineと検索し、Clineをインストールします。

インストール後、ClineのExtensionを選択すると初期設定が要求されます。
「Use your own API key」を選択し、「API Provider」から「Ollama」を選択します。
下部にOllamaインストール済みのモデルが出てきますので、「gemma3:4b」にチェックを入れます。

その他の設定は変更不要ですので「Let's go!」で設定完了します。

なお、ここで前述のLM Studioを選択することもできます。

Clineの使用

後は通常通りClineが使用できます。以降のClineの使用方法の入門は数多あるかと思いますのでここでは省略します。

モデルを変えたいときはClineのExtension欄の下部のモデル名をクリックして変更できます。

最後に

昨年末のDeep Seek R1の登場を皮切りにLLMモデルの進化が加速しているように感じます。3月にgemma3がでて、5月にqwen3が出ており、そのたびに性能向上を見せているようです。

今回は手軽に導入できる点でClineを使用しましたが、VS Codeはじめコーディングツール本体機能としてAIによるエージェント機能が載る動きもあります。今のうちに慣れておきたいところですね。

参考

About T.H

North Torch株式会社 プログラマ 技術的な経歴は.NETアプリケーションが一番長い。 その他はまだまだ勉強中。