a_hamada/ 2022年 12月 16日/ 技術

こんにちは!濱田です。
札幌は12月になって急に雪が降ったので一気に冬に突入しました。

さて最近は業務でGISツールのQGISを使うことが多いので、
今回は私が思う基本的な使い方をご紹介していこうかなと思います。

はじめに

まず初めにQGISとは何かということをご紹介します。
QGISはオープンソースのGIS(地理情報システム)ソフトウェアで、
主に地理情報(ポイントやラインの座標情報)などを扱うためのソフトウェアです。
一件とっつきにくそうな印象を持たれるかもしれませんが、
この時点では何かしらの座標情報を持っているファイルがあってそこには座標情報に付随して様々な属性が付与されていて、QGISを使えばその情報を視覚的に表示して、データの操作などができるということだけ分かれば良いと思います。

QGISを立ち上げてみる

前置きはこの辺にして早速QGISを使ってみたいと思います。
QGISを立ち上げて上部メニューの新規プロジェクトのボタンをクリックします。
新規プロジェクト
すると下記画像のように白紙のプロジェクトが表示されます。
新規プロジェクト画面

座標参照系(CRS)の指定

おそらくQGISを扱う上で一番大事になってくるのが座標参照系(以下CRS)の扱いです。
ただCRSについて話し出すとこの座標参照系が扱っている楕円体はこの楕円体で、ジオイドが何で…みたいな話をしないといけないのでここでは割愛します。
簡単に言うとその地理情報データが何を基準にして計測されているかというのがわかるコードだと思ってください。
ではなぜQGISを扱う上でこのCRSを指定することが重要なのかということです。
当たり前ですがCRSが変われば全く同じ地点を表しているデータでもずれが生じます。
QGISではそのCRSの違いによる地理情報のずれを自動で調整してくれる機能が備わっています。
(もちろん多少の誤差は発生します。)
したがってその変換を行うためにはCRSの指定はとても重要になってきます。
基本的には開いているプロジェクトのCRSを指定→ファイルを読み込む際にCRSを指定すると、
QGISの方で勝手に変換方法を聞いてくれるので、そこで変換方法を選べばファイルのCRS→プロジェクトのCRSの変更を自動でしてくれます。
もちろん普段良く扱う地理情報データのCRSをプロジェクトのCRSにしておけば、いちいち指定しなくて良いのでその点でも便利です。

実際にプロジェクトにCRSを指定してみる

では実際にCRSを指定してみます。
上部メニューから「プロジェクト」を選択してその中から「プロパティ」を選択します。
プロジェクトプロパティ
「プロジェクトのプロパティ」ウィンドウが表示されますので、左側のメニューから座標参照系(CRS)をクリックします。
表示されるCRSの指定画面でプロジェクトCRSを指定します。
私も数あるCRSのうち扱ったことのあるものは多くありませんが、
今回は古い測地系ですがCRSをTokyo(EPSG:4301)に設定してやってみます。
プロパティ設定ウィンドウ
※ちなみにデフォルトのプロジェクトCRSはWGS84(EPSG:4326)になっています。
※これも余談ですがCRSのEPSG:××××というのは、EPSGというCRSを規格化している団体でそのCRSに対して規定されたコードのことです。
ウィンドウ上部の「フィルタ」の検索ボックスで検索するか「あらかじめ定義されたCRS」から選択して「適用」→「OK」を押して指定完了です。

地図データの読み込み

次は実際にQGISに地図データを読み込んでみます。
今回は国土交通省から提供されている北海道全域の河川データのshpファイル(W05-09_01-g_Stream.shp)を読み込んでみます。
データの読み込みと言っても方法はいたって簡単です。
QGISの下記画像赤枠部分の領域に表示したいshpファイルをドラッグアンドドロップするだけです。
地図データ読込

ここで一つ注意なのですが読み込んだデータのCRSが定義されていない場合などで正常に検出できない場合、
下記画像のように画面左下の「レイヤ」メニューの読み込んだファイルのレイヤ名の左側に「?」マークが表示されることがあります。
不正なCRS
このCRSが不正な状態だと情報を正常に表示できない場合があるので、指定してあげる必要があります。
まず「?」マークをクリック、またはレイヤ名を右クリックして「プロパティ」をクリック→「ソース」メニューからCRSの設定画面を表示します。
どちらからCRSの設定画面を表示したかによって少し画面が違うのですが、
今回はわかりやすいので「?」マークをクリックしたパターンをご紹介します。
「?」マークをクリックすると画像のような「座標参照系の選択」ウィンドウが表示されます。
CRS設定ウィンドウ

ここで先ほどプロジェクトのCRSを指定したのと同じ要領でCRSを選択します。
※ここでもTokyo(EPSG:4326)を指定しています
CRSを選択して「OK」をクリックすると先ほどまであった「?」マークが消えると思います。
CRS指定後

そんなこんなで正常にデータのインポートが成功すると北海道全域の河川がライン情報として表示されると思います。
地図データ読込後

まとめ

もう少しいろいろ書こうと思ったのですがCRSだったりデータの読み込みについて書いていたら、
結構な文章量になってしまったので今回はこの辺りで終わろうと思います。
今回記載した内容をまとめると

  • 大雑把にQGISって何?
  • 座標参照系の指定の仕方
  • 地図データの読み込みの仕方
    などを記載しました。

次回も属性値の参照の仕方などを書きたいので、引き続きQGISに関してブログにしていこうと思います。
今回のブログで私が年内に更新するのは最後だと思います!
少し早いですが皆さん良いお年を!!

About a_hamada

2020年9月からWebプログラマに転向した半人前 日々勉強することばかり。 最近使っている言語はもっぱらPython